オメガ 「スピードマスター スーパーレーシング」のシリコン緩急調整システム |
|
|
「高精度」という謳い文句を数字の裏付けを持って証明し、実現する微動調整のために新開発のスピレート(Spirate=Spiral + Rate)システムと名付けられた緩急調整機構が採用されました。
興味深いこのシステムがどのよう仕組みで何を狙っているのか、「いつもの」で「推測」してみようという事でレポートします。
さて、上記のニュースにいきなり答えらしきものが書いてあります。
「弾力性のあるベアリングを用いた高精度な連結構造設計をベースとした新たな手法」という一文から関連する技術が思い浮かんだため、まずはそれを調べます。http://www.osakacopyshop.com/swbrands/name-b1703/
複数の部品が接触しながら組みあがっている一般的なベアリングと異なり、フレクシャベアリングは複数の「たわみ(弾性変形)」を発生させるフレクシャ要素を組み合わせた一体成型の部品で、各フレクシャは容易に動くことが出来る方向の自由度(Degree Of Freedom)とほとんど動けない拘束条件(Degree Of Constraint)を持ちます。
複数のフレクシャを組み合わせ、求める動きにだけ自由度が残り、他は拘束し合うようにすることで任意の動きを実現できます、上記の例では交差するブレードフレクシャを組み合わせて1回転のみに自由度が残ってベアリングとして働きます。
一体型部品で動くために必要な遊び(バックラッシ)が原理的に必要なく、全ての支持部分がバネ要素で支えられているため部品がるれることもなく摩擦も発生しません、この特性によりバックラッシや摩擦を廃した高精度の位置決め機構として使うことが出来ます。
|
|
|
前ページ:
2023年度モナコ グランプリに捧ぐ新作「モナコ クロノグラフ」の3モデルが登場
|
次ページ:
キャリバー1932の構造が間違っていた箇所を修正し
|