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トゥールビヨンの歴史は、機械式時計の精度向上の歴史です
機械式時計は17世紀に基本構造が完成されましたが、今なお日に数秒~数十秒、遅れ・進みが生じてしまうことが珍しくありません。そして各時計メーカーがこの遅れ・進み(精度)の解消に向けて、長年尽力してきました。


この精度向上の一環として1800年前後に発明されたのがトゥールビヨンです。


出典:http://www.osakacopyshop.com/


上記の図のように、機械式時計は香箱(1番車)に収められたゼンマイが、ほどける力を利用して時刻を刻みます。


ゼンマイがほどける⇒これを格納する香箱車が回転する⇒2番車⇒3番車⇒4番車へと動力が伝わっていき、ガンギ車を介して脱進機・調速機を動かしていきます。


一方でチョロQなんかをご覧頂くとわかりますが、普通ゼンマイはあっという間にほどけきってしまいますよね。しかしながら脱進機・調速機によってこのゼンマイがほどける速度を制御することで、機械式時計はより正しい時刻を刻むこととなります。つまり、この脱進機・調速機にこそ「精度向上」のカギがある、と。


ではこの脱進機・調速機でどうやって精度を取るかと言うと、ミソは「テンプ」と呼ばれるパーツにあります。


テンプには伸縮自在なヒゲゼンマが取り付けられており、ゼンマイのエネルギーが通っている間は、規則正しい往復運動を繰り返しています。


「振り子はひもの長さが同じなら、振り幅に関係なく往復に掛かる時間は同一となる」このガリレオ・ガリレイによるあまりにも有名な「振り子の等時性」を利用して、振り子の重りにあたる「テンプ」がより高速でより安定した振動を繰り返すことで、高精度な制御が可能となっているのです。


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