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パシャの誕生は20世紀初頭までさかのぼります
1930年代、当時のモロッコ マラケシュの太守(パシャ)であったエル・シャヴィ公が、コピー時計カルティエ三代目当主のルイに対し、「自宅のプールで水泳しながら着けられる時計が欲しい」という依頼をします。カルティエは太守のために防水時計を製造のうえ、進呈しました。


ただ、当時の太守に贈られた時計は角型で、モデル名も「タンクエタンシュ」でした。ちなみにエタンシュ(etanche)はフランス語で「封入」とか「防水」などの意味を持ちます。その後1943年、当モデルをオマージュしたラウンドケースの防水時計「パシャ」がカルティエよりリリースされ、そのモデルが今日のパシャの原型となります。1943年に出た原型は後述するリューズプロテクタや独特のラグ、グリッドなど、現在パシャと呼ばれる時計のディテールを既に有しており、当時からカルティエのデザイン力が高かったことがよくわかるエピソードですね。

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1985年、この防水時計を現代風にリファインして発表されたのが現在のパシャです。
ただ、現在のパシャもそうなのですが、全てのモデルに防水機能が付加されていたわけではありません。また、初期に生産されていたパシャは主にイエローゴールドを素材に使ったハイエンドラインでした。後年本格的なダイバーズウォッチ機能を得たパシャや、ステンレススティール製、あるいはコンビモデルがラインナップに加わっていきます。


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