「サントス」を世に送り出した『カルティエ』の創業は1847年。創業者のルイ=フランソワ・カルティエ氏がパリで開いたジュエリー工房がルーツとされ、その精緻な細工が施された絢爛豪華なジュエリーはヨーロッパ中の王侯貴族を魅了しました。その声望は高く、英国国王エドワード7世からは“王の宝石商 宝石商の王”と称えられたほど。
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その後、『カルティエ』はシガレットケースやポーカーセットといった実用品も手掛けるようになりました。しかしあるとき、3代目当主のルイ・カルティエ氏が友人のアルベルト・サントス=デュモン氏からある依頼を受けます。ブラジルの貴族の家に生まれ、発明家や飛行士として知られていた彼のリクエストは、「飛行機を操縦しているときに、操縦桿から手を放さずに時間を確認できる時計が欲しい」というもの。当時は懐中時計が主流で、時間を確認するには懐から時計を取り出す必要があったのです。
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